
フィンエアで成田からウィーンまで。
14時間程度かかりますが、途中ヘルシンキで降機できるのでつらくはありませんでした。
初めてのヨーロッパなのですけど、行きたい場所が色々あったので、自由旅行です。
ウィーン国際空港に着いたら、オーストリア連邦鉄道の切符カウンターで2日分のフリーチケットと、中央駅まで行きたいという旨を伝えて、2種類の切符を手に入れ、早速お目当てのrailjetに一駅分ですが乗れました。
驚くほど静かな最新の客車列車で感動しました。
一泊目はウィーン中央駅前のビジネスホテル。
小綺麗な部屋でとても良かったです。朝食付き。
アジア系の人が他に居なくて朝食時に結構視線感じました。
朝食の種類はパンとソーセージとハムと僅かなサラダと、あとは飲み物のみ。
あと、基本的にホテルの部屋には湯沸かしや歯ブラシがないようです。 
到着が夜で、翌日から行動開始。
きれいな新しいウィーン中央駅から朝の列車で隣の駅まで5分ほど。そこから路面電車にちょこっと乗って、ウィーン中央墓地へ。 
ベートーヴェンやシューベルトのお墓がまとめてあります。
中学生の頃から聴き惚れている曲の作曲者たちに敬意を。 
墓地そのものの空気感がすごく良くて、半日はここで散歩していられそうな感じでした。
ただ、11月の半ばで、風がすごく冷たいので、全身の防寒はしっかりと。 
墓地を出たら、そのまま路面電車で一本で行けるベルヴェデーレ宮殿へ。
宮殿といっても、近代的な街中にある施設で、建築や美術、世界史に詳しくないと、感動は薄いかもしれませんが、由緒ある場所のようです。
中はほぼ美術館なので、有名な絵画がちらほら見られると思います。 
その後はウィーンのマクドナルドで昼食。
列車で30分ほど南のバーデン・バイ・ウィーンという場所に向かいます。
券売機のところに居た女性がすごく親切にゾーン超過分の切符の買い方を教えてくれて助かりました。
2階建ての通勤列車に揺られてあっという間に着いたバーデン・バイ・ウィーンはベートーヴェンゆかりの保養地。
着いてホテルにチェックインしたら、夕暮れの街を散歩します。
ここで入った教会が今回の旅の中で一番気に入った教会になりました。
誰もいない夕暮れの薄暗い中の生きた教会で、後ろにはモーツァルトが演奏したパイプオルガンがひっそりとありました。
ふと入った空間がこんなに心落ち着く空間だとは思いませんでした。 
バーデンの街中はこんな感じに、こじんまりとしたまとまりのある美しい街で、何よりも生活感と歴史ある建物が調和しているのが良かったです。 
翌日はバーデンの公園を散策して、温泉プールに入ってのんびりしました。
ヨーロッパの温泉に入ってみたかったというのが一つの大きな目的だったので、達成できて満足です。
お湯はぬるいのですが、30分くらい外の湯に浸かっていたら太陽のおかげもあってか結構温かくなりました。
不思議なちょっと贅沢な体験をした気分です。 
温泉を出たらバーデンとはお別れ。
中央駅に戻って、シュテファン大聖堂へ向かいました。
こちらはウィーンの中心で観光客もいっぱい。
大聖堂は聖堂の中に木が生えているようなそんな高さを感じる場所でした。
もちろん人が多すぎて神聖さとかはありませんでしたけど、ここが静まり返る瞬間があるのならば、それは見事かもしれません。 
むしろ、先の大聖堂よりも、こちらの聖ペーター教会の方が日の入り方などが美しく、感動がありました。
パイプオルガンの練習をしていたようで、見事な音に圧倒されたのもあります。 
ホーフブルク王宮を眺めながら、歩いて楽友協会ホールまで向かい、もう一つの目的である、コンサートのチケットを取ってきました。
ウィーンフィルの演奏会が取れれば良かったのですが、あいにく不在で、内田光子のオールシューベルトのピアノリサイタルでした。
ホールの響きや演奏自体はとても良かったのですが、このホールの最大の欠点は雑音が多いところでしょうか。
ホール見物を兼ねた観光客がかなりの数居るのではと思われる聴衆レベル、照明を落とさないホールの仕様、このへんは日本のサントリーホールでのリサイタルの方が優れているように感じました。 
十分にウィーンを堪能したような、でも名物料理は何も食べないまま、翌日は朝からウィーンを発ちプラハへ向かいます。
チェコ国鉄のrailjetはブルーカラーでとてもかっこいい車体なのですが、これで4時間。
最高速度は160km/hで、ボヘミアの大地を駆けていきます。 
プラハ中央駅は日本ではほとんど見ることのないトレイン・シェッド作り。美しいです。
列車の止め方もびっくりで、同じホームに全く別の編成をほんの数メートル間隔で停車させるんですね。
ただ、ウィーンに比べると降りた瞬間に、雰囲気の暗さを感じました。
天気のせいもあるけれども、駅の中の色、人の顔、いろいろ含めてです。この印象はプラハ滞在中ずっとでした。 
プラハ城近くの宿を予約したのですが、地下鉄駅を降りてから、スーツケースとともに石畳の道路をひたすら15分位登りました。結構汗だく。
でも着いたら、一番眺めのいい部屋を用意してくれて感激。
案内してくれたフロントの若い女性もとてもわかりやすい英語で話してくれたし、ホテルの印象はウィーンと同じかそれよりも良かったです。
この辺のホテルは、路面電車で山の上側まで行って、少し下ったほうが行き着くのに楽だと教えてくれました。 
ウェルカムドリンクのシャンパンで酔った頭を覚ましに、しばらくして街中へ向けて歩くのですが、街並みはさすがに美しいです。
坂の上から見下ろすと、その傾斜に沿った屋根の並びや色が良く映えます。
ただ、生活感はあまり無いです。観光地そのものという感じ。 
プラハの市街地にはスーパーが見当たらず、そのかわりに小さいタバコ屋みたいなお店が何箇所かにあるのですが、さすがに温かいものが食べたくなったので飲食店へ。
適当に入った店ですが、写真付きの日本語メニューがあったので助かりました。
料理は英語で書かれていてもいまいち想像できないのです。
美味しいかそうでないか評する基準が曖昧な初めての異国の料理は、味の好み、温かさ、見た目、などの印象で決まりますが、出てきたものは全てホッとする美味しい料理でした。
実際、今回の旅行でウィーンもプラハも美味しくないものは何も無かったです。
ヨーロッパ旅行で食事が美味しくないというのは一体どこの話なんでしょう、という感じに。 
食べたら、ふらりと時計塔のある中心部へ。
カレル橋という有名な橋を通って夜のプラハ城を眺めながら向かいます。 
時計塔はちょうど時間になって中から人形が出てきましたが、あっという間で何がなんだか。
あまり期待して見るようなものでもないように思います。 
中心部のこの教会のライトアップはディズニーランドのような雰囲気。
観光地の色濃い中心部です。
とても寒かったのですが、そんな中で飲む屋台のホットワインが温かくて美味しかったです。 
翌朝のホテルの部屋からのプラハの風景。
この日の朝だけはプラハの空が明るんだ瞬間がありました。 
朝から混雑しているプラハ城の大聖堂。
関西からの修学旅行生も居ました。私立高校はさすがに豪華な修学旅行するものだなと思います。
素人にはウィーンの大聖堂とどう違うのかあまりわかりませんでしたが、こちらはステンドグラスが素晴らしいのが印象的でした。 
プラハ城は大聖堂を中心に様々な施設があって、一つのお城を形成しているのですが、けっこう広くて半日は使います。
お城を出たら長い階段を降りて再び街の中心部へ。
昼のカレル橋を通って向かいます。 
この日はちょうど祭日、自由と民主主義のための闘争記念日で、それだからなのかは知りませんが、中心部はお祭りぽい賑わいでした。
ふらりと立ち寄った教会では、ミニコンサートみたいなのをやっていて、華やかでした。 
大道芸もやっていました。
子供がかわいいこと。
しばらく歩いて、最終日の宿へ。
入り口こそ分かりづらかったものの、古風な広い部屋と朝食の美味しいアットホームな宿でした。
プラハは雰囲気暗かったですけど、宿屋のフロントは親切丁寧でとても好感持てました。
ちなみに、こちらの国も歯ブラシはありません。
あまり使われてなさそうなポットはありました。 
宿で少し休憩してから最後の夜、夕飯のために歩いていたらいつの間にか街の中心へ。
そしてテレビカメラとすごい人混みの方へ行ってみれば、追悼の場所に着きました。
チェコの歴史を勉強して行ったわけではなかったのですが、帰って調べてみると結構最近に起こった民主化への革命日だったようです。 
最終日は朝からプラハ空港へ。
路面電車と地下鉄とバスを乗り継いで、30~40分くらいでしょうか。
東京の飛行場に比べればアクセスは良好です。 
この空港は待合スペースに古いピアノが一台置いてあり、自由に弾けるようになっているらしく、突然男がたどたどしいエリーゼのためにを引き出して何事かと驚きました。
でも、空港内に響く生ピアノの音は良いものだなと思います。芸術に寛容な国。
帰りも同じくヘルシンキ経由での帰路ですが、ヘルシンキ空港は狭いもののきれいで明るく2~3時間の乗り継ぎ休憩に最適です。
シェンゲン協定エリアからの出国は自動ゲートで楽に通過できるし、乗り継ぎ空港として出来ているだけあって、ヨーロッパ各国の名産品が色々と免税エリアでお安く買えるのでお土産買うにはオススメ。
ちなみに、出国手続きをする前にも飲食店はあるのですが、かなり高かったです。サンドイッチ2つと飲み物1つで1500円以上したような。水も高いです。
シェンゲン協定エリア内だから、ここってフィンランドの税金がかかっているのですよね、たぶん。
出国手続きしたあとで何もかも済ませたほうが安くなるのかなとふと思いました。
ちなみに、出国手続き済ませてから買った紅茶などは日本よりもずっと安くて良質でした。
お茶好きは買わないと損です。
あとフィンエアで出てきたデザートのアイスが松の香りのアイスでとても美味しかったです。
ハーゲンダッツなんかよりずっとオシャレ。日本からの便はスーパーカップでしたので、随分な差だなと思いました。
総じて気持ちのいい初めてのヨーロッパ旅行ができて良かったです。
せっかく高い旅費を出すなら行きたい場所に行こうと、決したわけですが、正解でした。
言葉に関して困ることはほとんどなく、わかりやすい英語で親切に話してくれた方が多かったです。
良質なクラシックコンサートがたくさんあるので、それを軸にまたヨーロッパ旅行に行きたいと考え中。
ベルリンのフィルハーモニー、オランダのコンセルトヘボウ、楽しみです。